こんにちは!徳重なかよし歯科院長の林です。
今回は、歯医者さんにかかっていただいたときにする歯周病の検査についてお話をさせていただきます。
歯周病は歯にくっついているプラークと呼ばれる細菌のかたまりが引き起こす歯ぐきの病気です。
最初は「歯肉炎」と呼ばれる、歯ぐきの肉の部分、つまり「歯肉」の炎症のみが生じますが、これを何年も放っておくと、歯を支える骨が細菌によって溶かされていってしまいます。これが「歯周炎」と呼ばれる状態で、こうなると土台がなくなって歯がぐらつくようになり、ついには歯が抜けてしまうのです。
歯周病による歯ぐきの炎症は、お口の中を見ただけでは、完全にはわかりません。なぜなら、炎症は歯ぐきの内側から発生するからです。そこで、「プローブ」と呼ばれる細い棒を使って、歯周病の検査をする必要があるのです。
検査では、歯ぐきの溝の中にプローブを挿入していきます。この時、出血がある場合は、溝の内部の歯ぐきが炎症していることを意味します。けがをしてしまったとき、その部分は皮膚が再生するまでは薄皮が張ってジュクジュクしていて、少し触れただけでも出血したりしますが、歯ぐきの炎症もそれと似たような感じで、ちょっとプローブが触れただけで血が出てしまうのです。
出血するような状態をそのままにしておくと、歯ぐきの溝が深くなり「ポケット」ができます。これは歯周病の重症度を把握する一つの指標で、ポケットが4mmを超えている場合は、病的な状態と考えられています。そのため、歯周病の検査ではプローブを使用してポケットの深さを測定していくのです。
また、この検査結果に加えて、エックス線写真で歯を支えている骨の吸収の程度を見て、歯周炎の診断がなされます。
歯周炎は、1人の人のお口の中でも、歯によって進行度が異なります。また、同じ1本の歯でも、歯の場所によって進行程度が異なるのが通常です。そのため、プローブによる検査は1か所だけではなく、全部の歯にまんべんなく行う必要があります。
細い棒を歯ぐきの溝に差し込まれるので、プローブで歯ぐきが壊されていないか不安になる患者さんもいらっしゃいます。しかし、実際にはプローブはごくごく弱い力で差し込まれているので、その心配はありません。
この検査は、最初の診断の時だけでなく、歯周病が悪化していないかの確認や、治療の効果を評価するときなどに繰り返し行われることもあります。
痛いから苦手、という方もいらっしゃるかもしれませんが、その痛みは炎症のせいであることがほとんどです。個人差はあるものの、治療が進み炎症が治まっていくと、プローブを差し込んでも出血がなくなり、痛みも減っていくはずです。
歯周病は慢性的な炎症のため、痛みなく進行していくことがほとんどです。また、溶かされてしまった骨は基本的には元のレベルまで戻ることはありません。
定期的に歯医者さんでしっかりと検査を行い、歯周病を予防して生涯ご自身の歯でお食事ができるよう予防していきましょう!
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